S660とコペンを7項目に分けて徹底比較！特性の違いをチェックしよう
軽自動車には、セダンやスーパーハイトワゴンなど、さまざまなボディタイプが存在します。その中で、走りにこだわる方や非日常を味わいた方は、オープンカーを視野にいれているという方もいるでしょう。ダイハツのコペンとホンダから発売されていたS660で、迷っている方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、コペンとS660の特徴を項目別に解説します。両車とも同じくオープンカーですが、駆動方式が全く異なるため、違いを把握しておくことが大切です。中古車相場などの価格情報も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・S660は収納スペースがほとんどないが、走行性能に特化している
・コペンは電動開閉式のオープン機構を備えており、日常シーンでも気軽に開放感が味わえる
・S660とコペンのジャンルは同じだが、駆動方式や安全性など大きく異なる部分がある
S660とコペンのオープン機構を比較
オープンカーによって、ルーフの開閉方式が異なります。スイッチひとつで自動的に開閉できるケースや、手動のケースがあり、購入前にしっかりと確認しておきたいポイントでもあります。まずは、方式が異なるS660とコペンの開閉方法の違いをチェックしていきましょう。
S660は手動開閉式のロールトップを採用
S660の手動開閉式のロールトップを採用しており、電動開閉式と違って手軽にオープンにはできませんが、付け外しは比較的簡単です。まずドアを開ける、もしくはドアガラスを全開にします。車内から中央のロックを外し降車します。次に運転席側のロックを外して半分程度巻取り、助手席に移動して同じ作業を行うと外せます。
最後に、ボンネットにある収納ボックスにロールトップを収納して完了です。付ける時は逆の作業手順となります。
コペンは電動開閉式のアクティブトップを採用
手動開閉式のS660に対して、コペンはアクティブトップと称した電動開閉式を採用しています。スイッチ操作のみで開閉できるため、気軽にオープン状態を楽しめる他、急な雨でも車に乗った状態で閉じることが可能です。
またオープン時に、S660のようにリアウィンドウも残らないため、開放感が高いといえるでしょう。
S660とコペンの室内空間を比較
軽自動車の中でも、現在は室内空間の広いモデルが人気です。一方でS660とコペンは2人乗りであり、必要最低限の広さといえます。乗り心地にも関わってくることから、両車の室内空間がどの程度の広さなのか気になるところでしょう。ここでは、S660とコペンの室内空間について解説します。
タイトさを求めるならS660
S660の室内空間の広さは、コペンよりもタイトです。しっかりと車体に包まれている感覚が得られるでしょう。カタログ上のS660の室内寸法は、室内長895mm×室内幅1,215mm×室内高1,020mmです。
S660の室内に圧迫感を覚える方もいれば、タイト感が気に入る方もいるでしょう。体格によっても感覚に差が出てくるので、購入前に試乗してみることをおすすめします。
少しでも広さを求めるならコペン
コペンの室内空間の広さは、S660よりも広めです。ただし、カタログ上の数値は大きく変わるわけではありません。コペンの室内空間の寸法は、室内長910mm×室内幅1,250mm×室内高1,040mmです。どの数値もコペンより数十mm大きいため、若干のゆとりがあることが分かります。
少しでも広いほうが良い場合は、コペンを検討すると良いでしょう。両車を乗り比べてみて、自分にフィットするほうを選ぶことが大切です。
S660とコペンの走行性能を比較
S660とコペンはオープンカーであり、開放感を楽しめます。それと同時にスポーツカーでもあるため、走行性能が気になるでしょう。両車は軽自動車規格に準拠することから、エンジンスペックに大きな違いはありませんが、駆動方式は全く別物です。ここでは、それぞれの走行性能に関して解説します。
S660の駆動方式はMR
S660は駆動方式にMRを採用しています。MRとはミッドシップエンジン・リアドライブのことで、重いパワートレインが車体の中心近くに配置されることから、スポーツカーにとって理想的な駆動方式といえるでしょう。加速時に高いトラクションが得られ、コーナリングもスムーズでスポーツ走行を楽しめます。
高回転型のターボエンジンを搭載しており、トランスミッションはパドルシフト付きのCVTと6MTから選択可能です。エンジンスペックは最高出力が47kW（64PS）/6,400rpmで、最大トルクは104N・m（10.6kgf・m）/2,600rpmを発揮します。ちなみに燃費性能は、20.0km/L~20.6km/L（WLTCモード）です。
コペンの駆動方式はFF
採用されるケースが少ない駆動方式のS660に対して、コペンは一般的なFF（フロントエンジン・フロントドライブ）となっています。旋回性能についてはS660に軍配が上がるといえるでしょう。
トランスミッションは、CVTと5MTです。マニュアルミッションは1速少ないこともあり、燃費性能は18.6km/L~19.2km/L（WLTCモード）と、S660よりも低くなっています。
そしてエンジンスペックは、最高出力が47kW（64PS）/6,400rpmで、最大トルクは92N・m（9.4kgf・m）/2,600rpmです。走行性能に関して、コペンはS660よりも劣っている部分はありますが、カジュアルに運転を楽しみたい方には十分と言えるでしょう。
S660とコペンの収納・ラゲージを比較
S660とコペンは、積載性の良さを売りにした車ではありません。一般的な軽自動車とは違い、スポーツ走行やドライブなどで異次元の体験ができます。そのため、積載能力が限られているため、収納スポットはあらかじめチェックしておいたほうが購入後の後悔を防げます。
S660は走行に特化した設計
S660は、よりスポーツ走行に特化したスペシャリティなモデルです。高い運動性能を有していますが、収納スポットが限られているため、不便に感じる方もいるかもしれません。S660にはラゲージルームがなく、荷物は車内かロールトップを格納するユーティリティボックスを利用することになります。
特に2名乗車時は助手席が埋まってしまうため、カバンなどの置き場にも困るでしょう。カップホルダーもひとつのみです。他には、リアウィンドウ付近にあるコンビニフックやコンソールトレーなどがありますが、あくまでも小物用となっています。
コペンは普段使いに不便がないラゲージを持つ
コペンは、S660よりも普段使いに向いています。ルーフを閉じている状態であれば、ゴルフバッグ1個分程度のラゲージスペースを利用可能です。ルーフをオープンにしている場合でも、ハンドバッグ程度であれば収納できます。
またドリンクホルダーは2つ用意されており、ドアポケットなども用意されているため、S660よりは使い勝手が良好です。
S660とコペンの安全装備を比較
S660とコペンは安全装備においても違いがあります。現在、自動ブレーキなど先進の安全装備が搭載される車種も多い傾向です。ここでは、安全性の指標であるサポカーへの該当状況に触れつつ、両車の安全装備について解説します。
S660はサポカーSベーシックに該当
政府は、交通事故防止対策としてサポカー（セーフティ・サポートカー）という区分を設けています。装着されている安全装備によって分類されますが、サポカーに該当している車は基本的に安全性が高いといえるでしょう。
予防安全の低速域衝突軽減ブレーキと誤発進抑制機能を有するCVTのS660は、サポカーSベーシックに該当します。ただし、「β」グレードはメーカーオプションとして設定されていたので、中古車を探す際はしっかりチェックしましょう。
コペンはサポカーに該当しない
S660と違い、コペンには先進の予防安全装備は設定されていません。最低限、自動ブレーキが搭載されていればサポカーに該当しますが、コペンではオプションとしても用意されていないため、事故予防に関してはS660よりも劣ります。
ただし、衝突時の安全性はしっかり確保されています。衝突安全ボディを採用しており、エアバッグが搭載されているのはもちろんのこと、歩行者へのダメージを軽減するための構造を取り入れています。
S660とコペンのカスタムポイントを比較
車を購入すると、カスタムを検討する方も多いでしょう。自分好みの1台に仕上げるのは、車を所有する楽しみのひとつです。社外品も魅力的ですが、自動車メーカーが純正のカスタムパーツを用意している場合もあるので、ぜひチェックしてみてください。
S660は純正品・社外品のアクセサリーカスタムが基本
S660は、惜しくも販売を終了しているため、純正品のカスタムパーツをそろえるのは困難です。ただし、オプションのカスタムパーツでディーラーオプションとして販売されていた商品は、ディーラーに在庫がある場合、購入できる可能性があります。純正品で欲しいパーツがある場合は、近くのホンダディーラーに問い合わせてみましょう。
また、社外品を検討するか、好みのカスタムパーツが付いた中古車のS660を狙うのもひとつの方法です。
コペンは自由度の高さが特徴
コペンは、純正品としてさまざまなカスタムが可能です。まず、エクステリアをRobe・X PLAY・Cero・GR SPORTの4つのスタイルから選べます。さらに、3つのカラーバリエーションから選べる「D WRAPPING」というルーフシートが、メーカーオプションとして選択可能です。
さらに、バンパーやフェンダー、ボンネットなどがセットになった着せ替えパーツ「DRESS-FORMATION」が用意されており、スタイルやボディカラーを比較的簡単に変更できます。
S660とコペンの価格を比較
コペンは現時点（2023年11月）において、ダイハツのラインアップにあるため新車でも購入できます。ただS660は新車の販売終了となっているので、中古車でしか購入できません。ここでは、それぞれの中古車相場と、コペンの新車価格を紹介します。
S660の中古車相場
S660が新車で販売されていた際の価格は、203万1,700円~315万400円（この価格は2022年3月時点の情報です）でした。個性的な車のため中古車の流通量は多くありませんが、2023年11月時点において販売終了から時間がたっていないので十分に狙えます。
ネクステージにおけるS660の中古車相場は、149万9,000円~398万9,000円です。（2023年11月時点の情報です）
（参考：『S660（ホンダ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
コペンの新車価格・中古車相場
コペンは4つのスタイルが用意されていますが、新価格の価格幅に関してはS660よりも抑えられています。まず、上級モデルのGR SPORTが238万2,200円ともっとも高額です。そしてCeroが194万3,700円~214万7,200円で、RobeとX PLAYがともに188万8,700円~209万2,200円となっています。
そしてネクステージにおける中古車相場は、旧型モデルを含めると65万9,000円~249万9,000円です。（2023年11月時点の情報です）
（参考：『コペン（ダイハツ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
まとめ
S660とコペンは同じくオープンタイプの軽自動車ですが、キャラクターは大きく異なります。手軽にオープンカーを楽しみたい場合は、電動開閉式のコペンがおすすめです。そして走行性能を重視する場合はS660を検討すると良いでしょう。
室内空間や安全性能にも違いがあります。室内の快適性を求めるならコペン、安全性能が高い方を選ぶならS660と重視するポイントでも選び方は異なります。まずは自分の求める装備をチェックした上で比較検討すると、どちらが自分に合った車か判断できるでしょう。
【この記事の執筆者】
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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